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第287回冬野インターネット俳句会

選句の頁(令和8年7月)

投句ありがとうございました
選句は
毎月22日~月末まで

選句

1 旅人に雨の長谷寺濃紫陽花
2 朱印帳ひらいてみれば青田風
3 灯も水も朝の九重のキャンプ村
4 やつとこさ座れし座席西日差す
5 夏潮にのれば若返るかも知れず
6 天瓜粉丸ごと命の重さかな
7 独り居の梅酒つくりて猪口一杯
8 入院の妻よりのメモ盆用意
9 葛切やつるりと喉へすべらする
10 梅雨明けや一気に猛暑日の記録
11 結局は死なせてしまふ金魚かな
12 ビルとビルつなぐ涼風ありにけり
13 灯に音に誘われてや浴衣下駄
14 夏の朝竹刀打込む気合かな
15 天上に箒が挿され道灼ける
16 病む部屋の上目の金魚白湯茶碗
17 廃屋を重機の壊す大暑かな
18 甘酒を甘い薄いと言ひ造る
19 水打って風の門戸を開きけり
20 小流れにふはりと浮かぶ合歓の花
21 ゴーギャンもゴッホも来たれ大夕焼
22 夕暮れをそつと伺ふ月見草
23 ふる里はなほ遠くあり氷水
24 刈られてもまたよぢり出て捩花
25 この星のどこかに戦すべりひゆ
26 蜘蛛の糸払つた筈が背に蜘蛛
27 車窓から虹に気付きて湧き上がる
28 草刈や草の匂ひを刈り込んで
29 冷房の効きすぎ席言ひ出せず
30 木下闇定員オーバーではないか
31 御神木梅雨の嵐に大往生
32 霞む海空より水面明るくて
33 石像の著き弾痕青蜥蜴
34 ソーダ水別れの時もしゆわしゆわと
35 夏のれん黙って今日を置いてくる
36 はつと見る香水残す老紳士
37 銭湯のゆの字を分かつ夏のれん
38 残照の中媼らのビアホール
39 一声の後の一斉蟬時雨
40 パナマ帽大きく振つて乗船す
41 ストレッチャー走る真夏の非常口
42 風呂上り男浴衣に風を入れ
43 木下闇雀一斉に吐き出され
44 ポンと咲きさうな蕾に庭の百合
45 蛞蝓一生涯を躓かづ
46 陶蛙かしこまりたる夕立晴
47 成績はそこそこ草矢飛ばしけり
48 冷房に半日潰る初診かな
49 火も水も渾然と阿蘇菖蒲池
50 初茄子の紺の深きをご先祖に
51 絵筆にも似て紅ふふむねぶの花
52 日盛や小さきわが蔭ふみゆける
53 夾竹桃平和断ち切る鉄条網
54 追山笠や博多男の裸金
55 プラごみの落ちてゐるごと梅雨茸
56 糠漬けの香り一変青山椒
57 汗の手が掴むサーターアンダギー
58 白南風や沖より連れし白き砂
59 空の闇賑はせ終はる揚花火
60 高波の寄する令和を遠泳す
61 みんみんの落ちたるところ潦
62 羽ばたきて羽抜鶏にも見栄がある
63 冷奴生姜鰹節大葉葱
64 8の字に廻る作法や夏衣
65 まだ二杯まう三杯とビール汲む
66 パーサーの香水過る機内かな
67 水涼し大石で鯉は進めなく
68 蛍狩り流るる川のつづれ織
69 山開宿に待機の登山靴
70 ロマンスグレー粋に鯔背にアロハシャツ
71 また一人来たりて仰ぐ天の川
72 開店し中元セールへと駆くる
73 ポストまで近くて遠し大夕立
74 晩夏なる光と影のルオーかな
75 炎天やコンポストの箱隅に有り