浜冬子 選

8 春陰や醪はふつと息を継ぎ 山崎正憲
58 花街の暮れて置屋の春ともし 小俳子
62 片栗の花五箇山に水の音 山崎正憲
96 伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る 小俳子
97 余寒なほ長き祝辞の体育館 としお

牧野桂一 選

16 青き踏む太極拳の次の足 としお
48 項垂れしマリオネットの春愁 金澤晋治
83 岩牡蠣や玄界灘をすすりたる 金澤晋治
95 囀りやパレットに溶く十二色 浜冬子
99 海老ぞりの背面跳びや春の雲 ひろし

中野弘子 選

8 春陰や醪はふつと息を継ぎ 山崎正憲
17 春めきて博多っ娘らの爪アート 津田富子
56 上座には妻女ばかりよ雛の客 津田富子
59 鉄板にソースはじける遅日かな 浜冬子
83 岩牡蠣や玄界灘をすすりたる 金澤晋治

玖理夢 選

6 一人居に座布団四つ春炬燵 ひさ子
61 春一番ともづな唸る船溜り 天野ひろ子
68 春の潮遠ざけ地震の隆起帯 山畑洋二
74 一箇所にリュックまとめて野に遊ぶ としお
80 養護学級ピエロ招きし石鹸玉 近藤周三

としお 選

32 坂道の憩へるところ藪椿 白石照子
78 春めいて俳句心の歩き出す 真理子
79 けんかしてふらここまでの家出かな 玖理夢
87 可惜夜を紙の雛の笑ひ声 山崎正憲
92 黒猫になつかれてゐる葱坊主 玖理夢

弥太郎 選

6 一人居に座布団四つ春炬燵 ひさ子
39 卒業や商を学びて農を継ぐ 玖理夢
50 葉の艶の弥増さりたる八重椿 白石照子
61 春一番ともづな唸る船溜り 天野ひろ子
75 春休迷ひ迷ひて髪を切る 春よ来い

ひさ子 選

8 春陰や醪はふつと息を継ぎ 山崎正憲
16 青き踏む太極拳の次の足 としお
36 滑走路金網越しにかげろへり 小俳子
41 穴出でし蛇逐ふ史跡案内人 近藤周三
98 行商の声に腰上げ春炬燵 津田富子

小俳子 選

22 雛飾る五十年目も恙なく 山畑洋二
39 卒業や商を学びて農を継ぐ 玖理夢
78 春めいて俳句心の歩き出す 真理子
85 春光を乱反射してビルの街 天野ひろ子
97 余寒なほ長き祝辞の体育館 としお

津田富子 選

43 薄々と神の座置きて鳥曇 山畑洋二
57 朝霞二十年とは瞬く間 真理子
73 卒業す三十センチ背丈伸び ひろし
74 一箇所にリュックまとめて野に遊ぶ としお
90 花ミモザより晴れて来る朝かな 真理子

石川順一 選

19 たんぽぽは風をひかりに変へにけり ひろし
37 春の昼もぬけのからの兎小屋 浜冬子
44 青き踏み迷ひなく子の転職す ひさ子
72 アネモネを育て生涯ひとりかな 白石照子
86 ほどほどに禁酒を解いて蕗の薹 梦二



真理子 選

6 一人居に座布団四つ春炬燵 ひさ子
11 節約の意思の脆さよ春寒し 白石照子
16 青き踏む太極拳の次の足 としお
19 たんぽぽは風をひかりに変へにけり ひろし
23 蛇穴を出づ総身を忘れたり 山崎正憲
26 啓蟄やわが行く末も岐路にあり ひさ子
39 卒業や商を学びて農を継ぐ 玖理夢
48 項垂れしマリオネットの春愁 金澤晋治
68 春の潮遠ざけ地震の隆起帯 山畑洋二
71 啓蟄や気になる猫の目の動き 津田富子

英世 選

24 春セーター買ひ「出席」の投函す 近藤周三
31 春寒や天へ召さるる魂ひとつ 真理子
66 地虫出づ五分の魂振りかざし ひさ子
69 踏青や杖とも頼む句友居て 弥太郎
78 春めいて俳句心の歩き出す 真理子

ひろし 選

32 坂道の憩へるところ藪椿 白石照子
39 卒業や商を学びて農を継ぐ 玖理夢
58 花街の暮れて置屋の春ともし 小俳子
61 春一番ともづな唸る船溜り 天野ひろ子
65 呼鈴に「畑にいます」春の昼 金澤晋治

白石照子 選

19 たんぽぽは風をひかりに変へにけり ひろし
53 子と同じ靴のメーカー青き踏む 玖理夢
61 春一番ともづな唸る船溜り 天野ひろ子
74 一箇所にリュックまとめて野に遊ぶ としお
95 囀りやパレットに溶く十二色 浜冬子

山畑洋二 選

2 冴返る火入れ間近き登窯 牧野桂一
30 初燕雨呼ぶ風を連れて来る 英世
58 花街の暮れて置屋の春ともし 小俳子
73 卒業す三十センチ背丈伸び ひろし
83 岩牡蠣や玄界灘をすすりたる 金澤晋治

梦二 選

17 春めきて博多っ娘らの爪アート 津田富子
30 初燕雨呼ぶ風を連れて来る 英世
62 片栗の花五箇山に水の音 山崎正憲
70 パソコンにウイルス吾に杉花粉 浜冬子
95 囀りやパレットに溶く十二色 浜冬子

天野ひろ子 選

55 春雪を恐る恐るの袴かな としお
68 春の潮遠ざけ地震の隆起帯 山畑洋二
77 鎌倉の風まだ寒き立子の忌 小俳子
84 一山の芽吹き促す風かとも 山畑洋二
96 伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る 小俳子

山崎正憲 選

2 冴返る火入れ間近き登窯 牧野桂一
18 デッサンに下書きの跡鳥帰る 浜冬子
38 山笑ふよくぞ連れ添ひ五十年 春よ来い
69 踏青や杖とも頼む句友居て 弥太郎
84 一山の芽吹き促す風かとも 山畑洋二

金澤晋治 選

24 春セーター買ひ「出席」の投函す 近藤周三
39 卒業や商を学びて農を継ぐ 玖理夢
63 春愁や修正液に消す日記 近藤周三
66 地虫出づ五分の魂振りかざし ひさ子
72 アネモネを育て生涯ひとりかな 白石照子










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